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[ましこのひとvol.17] 益子町で暮らす人に「ましこの暮らし」について聞く。
益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子で働く大西昌子さんにお話を伺いました。
大西さんは、大阪府出身。大学卒業後は主に印刷物の制作に携わり、2006年にイタリアへ語学留学。
帰国後、通訳案内士の資格を取得したり、語学力を生かした仕事に従事されてきました。
2017年8月~2020年7月までは地域おこし協力隊として、そして現在も益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子において益子国際工芸交流事業に携わり、益子町と国内外のアーティストとの交流プログラムを担っています。
Q.1 どんな活動をしていますか?
益子国際工芸交流事業というのは、いわゆる「アーティスト・イン・レジデンス」と呼ばれる事業です。
招へい・公募選考した国内外アーティストに益子町に滞在してもらい作品を制作するかたわら、記念講演会、ワークショップ、公開制作等も行い、町の人たちや益子陶芸美術館の来館者との交流を図っています。
私は主に、アーティストの方との連絡係として、滞在中どのような作品を制作するか事前に確認したり、記念講演会・ワークショップのスケジュール調整を行ったりしています。
今年2020年は陶芸家・濱田庄司がイギリス人陶芸家・バーナード・リーチと共にイギリスのセントアイヴスに築窯してから100年を迎えます。
それを記念し「リーチ工房研修プログラム2020」と題して、益子町在住の陶芸家2名をイギリスのリーチ工房へ派遣する予定でした。しかしコロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に伴い、来年に延期となってしまいました。
さらに、イギリスからアーティスト2名を益子に招く予定でしたが、やはり来年に延期となっています。
今年はイレギュラーな年となってしまったので、代わりに、益子町で活躍する陶芸家たちと美術館の来館者が繋がることが出来るようなイベントを企画中です。 今しか出来ない事をやろうと思い、益子焼や過去の益子国際工芸交流事業について、皆さんに知ってもらうための勉強会や展示を開催したいと考えています。
陶芸メッセ・益子内に併設された「益子国際工芸交流館」
来町したアーティストが滞在生活する場所です。
Q.2 地域おこし協力隊に応募したきっかけはなんですか?
益子町の地域おこし協力隊の採用案内をインターネットで見かけて応募しました。今まで勉強してきた語学への興味とものづくりへの興味を同時に満たせるこの仕事は、適職だと思ったんです。
実は、面接日まで益子町を訪れたことはありませんでした。
イタリア留学中に知り合った広島県の木工職人の友人から「民藝」という文化を教えてもらいました。帰国後、民藝関連の展覧会へ行ったりして民藝の益子焼を見る機会は何度かあったんですが、それきりでした。
いつか益子陶器市に行ってみたいと考えているうちに、地域おこし協力隊として町に住むことが決まってしまったんです(笑)。
益子陶芸美術館 企画展「英国で始まり ―濱田・リーチ 二つの道―」展示室内
Q.3 地域おこし協力隊に着任したときの印象的なエピソードを教えてください。
2017年に着任してから約半年間は、自宅と職場である益子陶芸美術館への往復がほとんどでした。業務を覚えて慣れることがとにかく先決でしたし、益子町に知人もいなかったためです。まずは益子町で友人を作ることを目標にしていました。
そんな時、町内でギャラリーを営むある方から言われた言葉がとても印象に残っています。
「益子の人は、よそから来た人を良い意味でほっといてくれる。」
この言葉は、自分の心のなかにストンと落ちました。
2018年2月に開催された地域おこし協力隊全国サミットにおいて、全国各地の隊員と交流するなかで「私の方から地域に関わることが重要」と改めて感じました。
美術館内で働いているだけでは、限られた陶芸家や益子焼関係者の方としか知り合えません。
ですから、まずは益子町にどんな陶芸家がいるか知る努力をしようと思ったんです。益子町内や笠間市のギャラリーを頻繁に回りました。何度も回るうちに、ギャラリーの方々が顔を覚えてくれたりして嬉しかったです。
さらに益子町でギャラリーを営むある方が誘ってくださって、「英語でおもてなし」という陶器市会場にて英語ボランティアガイドをするグループに参加しました。そこは女性が多く在籍しており、横の繋がりが出来て楽しかったです。
また「百目鬼川(どうめきがわ)をきれいにする会」にも参加しています。 故郷・大阪の実家のすぐ側に淀川という大きな川が流れていたので、川は私にとって昔から身近であり、大切にしていきたい気持ちが強かったからです。活動が月1回の自由参加のため、楽しんで活動することが出来ます。
そのほか、「ましこ町民大学」に入学したことで、色々な人たちと知り合えました。
益子国際工芸交流事業での作業公開の様子
大西さんが通訳をしながら、来場者に作業内容について説明しています。
Q.4 大切にしていることはなんですか?
益子国際工芸交流事業はチームとして、携わる一人ひとりが力を発揮できる職場であってほしいと考えています。
業務をしっかりこなして、お互い気持ちよく仕事ができるよう心がけています。
益子国際工芸交流事業でお招きしているアーティストそれぞれの要望に応えるのは大変です。
アーティストも、国籍・年齢・生活習慣・人間性によって一人ひとり異なります。日本だったら問題にならないことが、文化圏の違いによって問題になったりします。
「あの時大丈夫だったから、今回も大丈夫」とはいきません。
アーティストの受け入れの際は、毎回初心の気持ちで応対しています。
益子国際工芸交流事業での制作実演ワークショップの様子
アーティストが益子近隣の石を使った釉薬開発の方法を実演しています。
Q.5 今後の目標を教えてください。
私の後任として8月から地域おこし協力隊に着任された大和田さんが、のびのびと・いきいきと仕事ができるようサポートしていきたいです。また、大和田さんご自身も現代美術のアーティストとして活動されている方ですので、アーティスト視点で、益子国際工芸交流事業がよりよく発展していけばよいと思います。
また、益子国際工芸交流事業を通して、益子町の陶芸家のみなさんに貢献できるような仕事をしていきたいと思います。益子陶芸美術館にも多くの方にお越しいただけたら嬉しいです。
Q.6 益子の好きなところ・良いところはなんですか?
良い人が多いところですね。また、人の距離感が近い気がします。
私自身、様々なグループに所属しているせいもあるかもしれませんが、例えば、道端を歩いていたり車ですれ違ったり、買い物先のスーパーの店内でも誰かしら知っている人に会うことが多く、向こうから声をかけてくれたりすることもあります。
大阪で暮らしていたときは、昔からの友人や職場の同僚としか繋がりがありませんでしたし、生活圏内に知人が多くいることは無かった気がします。
Q.7 移住者へのアドバイスはありますか?
益子の輪の中に自分から飛び込んでいってほしいと思います。
待っていても、周りの人は寄ってきません。自分から周囲に興味を持つことが大事だと思います。
益子陶芸美術館では、企画展「英国で始まり ―濱田・リーチ 二つの道―」が2020年6月28日(日)~11月8日(日)まで開催中です。
1920年に濱田庄司とバーナード・リーチがイギリス・セントアイヴスに渡り、リーチ工房を創設してから今年で100年になります。それを記念して、本展では、リーチを起点とする現代イギリス陶芸に焦点を当てるとともに、イギリスから始まった濱田の陶芸を受け継ぎながら20世紀後半の益子で多様に展開した創作的な陶芸を紹介します。
イギリスと益子、二つの地で切り拓かれた陶芸の醍醐味を同時にみせる初めての展覧会です。
英国で始まり ―濱田・リーチ 二つの道―
(別のウィンドウで開かれます)
益子陶芸美術館/陶芸メッセ・益子
栃木県芳賀郡益子町大字益子3021
TEL:0285-72-7555
FAX:0285-72-7600
今後の状況により、展覧会予定に変更が生じる場合がございます。
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