文化財詳細

円通寺一切経塔

円通寺一切経塔

えんつうじいっさいきょうとう円通寺一切経塔

県指定(昭和33年年4月25日指定)

種類
建造物
時代
室町時代

西流する大羽川は小貝川に合流する手前、大沢と呼ばれる肥沃な低地帯を形成している。この大羽川左岸、大沢の地に所在するのが名刹円通寺である。円通寺は応永9年(1402)良栄上人開基の浄土宗名越派の総本山であり、学問寺としても栄えた。すなわち、上人は名越派の教義を講義・布教するために、大沢文庫(図書館)を設置したのである。このため多くの学僧が円通寺で学ぶことになるのである。
天文10年(1541)に円通寺は火災で伽藍の大部分が焼失した。その再興に尽力したのが良迦上人で学寮や一切経塔を建設したのである。一切経塔は、重層方形造り柿葺き型銅板葺きの建造物。中世より江戸時代まで文化の中心を成した大沢文庫の面影を伝える建物である。上下層とも三間四面で下層正面および両側に桟唐戸を設け左右に花頭窓を開けている。上層は正面一間に板唐戸を設け、左右に丸窓を配しているので、正面の柱間装置が変化に富んでいる。上層は二重扇垂木で露盤上に宝珠を設けている。

参考:『益子町の文化財』

所在地
大字大沢1770
所有者
円通寺