○益子町自立支援医療(育成医療)支給事務取扱要綱
平成25年3月31日
告示第35号
(定義)
第2条 この要綱において、「受診者」とは、自立支援医療(育成医療)(以下「育成医療」という。)を実際に受ける者をいう。
2 この要綱において、「受給者」とは、育成医療の支給を受ける者をいう。
3 この要綱において、「申請者」とは、育成医療の支給認定を申請する者をいう。
4 この要綱において、「世帯」とは、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に基づく住民基本台帳上の世帯をいう。
5 この要綱において、「「世帯」」とは、原則受診者と同じ医療保険に加入する者であって、生計を一にするものをいう。
6 この要綱において、「3歳未満」とは出生した日から3歳に達する日の属する月の末日までをいう。
7 この要綱において、「一部自己負担金」とは、医療保険各法の規定により保険給付を受ける者が負担するべき額をいう。
2 受給者は、前項の児童の親権を行う者又は未成年後見人であって、益子町に住所を有し、育成医療を受ける月の属する年度(その月が4月から6月まである場合にあっては、前年度)分の地方税法の規定による町民税の同法第292条第1項第2号に掲げる所得割(同法328条によって課する所得割を除く)の額の「世帯」における合計額が23万5千円未満であること。ただし、厚生労働大臣が別に定める者にあってはこの限りではない。
(育成医療の内容)
第4条 育成医療の内容は、別表第2のとおりとする。
(指定医療機関)
第5条 育成医療は、都道府県知事(指定都市及び中核市の市長を含む。以下同じ。)が指定する指定自立支援医療機関(育成医療)(以下「指定自立支援医療機関」という。)において行うものとする。
(1) 主として担当する医師が記載した自立支援医療(育成医療)意見書(様式第2号)
(2) 受診者及び受診者と同一の「世帯」に属する者の名前が記載されている被保険者証、被扶養者証、組合員証等
(3) 腎臓機能障害に対する人工透析療法の場合にあっては、特定疾病療養受療証の写し
(4) 現に育成医療を受けている場合は、当該医療の受給者証
(5) その他町長が必要と認める書類
2 町長は到達した育成医療の支給申請が形式上の要件に適合しない申請であって、その不備が補正できるときには、申請者に対して相当の期間を定めて、その不備の補正を求めるものとする。
なお、町が相当の期間を定めて、申請の不備の補正を求めたにも関わらず、当該期間を経過しても不備が補正されないときには、原則として申請を拒否することができる。
3 町長は、到達した育成医療の支給申請が形式上の要件に適合しない申請であって、その内容の補正が不可能なときは、申請者に対して、その理由を提示した上で、その申請を拒否することができる。
(支給認定)
第7条 町長は、前条の申請を受理した場合は、申請者に対して育成医療の要否に関し、育成医療の対象となる障害の種類、具体的な治療方針、入院、通院回数等の医療の具体的な見通し、育成医療によって除去軽減される障害の程度及び負担上限月額等について、速やかに審査を行うとともに、支給に要する費用の概算額の算定を行うものとする。
2 町長は、育成医療の有効期間の設定に当たっては、3か月以内を原則とし、医師の意見書における具体的治療方針及び治療見込み期間を考慮し決定するものとする。なお、腎臓機能障害における人工透析療法及び免疫機能障害における抗HIV療養等長期に及ぶ場合についても最長1年以内とする。
ただし、育成医療の有効期間の始期については、医療費の支払事務に支障のない範囲において当該診療開始の日に遡及させることができるものとする。
また、治療見込み期間の終期が満18歳を超えるものであるときは、医師の意見書における具体的治療方針及び当該治療見込み期間を慎重に検討し、やむを得ないと判断される場合は、有効期間の終期を満18歳を超えて設定しても差し支えない。
同一受診者に対し、当該受診者が育成医療を受ける指定自立支援医療機関の指定は原則一箇所とすること。ただし、医療に重複がなく、やむを得ない事由がある場合には、例外的に複数指定することができる。
なお、受給者証の交付に当たっては、裏面に育成医療の具体的方針を詳細に記入するものとし、自立支援医療費(育成医療)(以下「育成医療費」という。)の支給の範囲は、受給者証に記載されている医療に限られるものとする。
4 町長は、審査の結果、当該医療の支給基準に適合しないと判断した場合には、通知書(様式第5号)により申請者に認定しない旨を速やかに通知するものとする。
5 町長は、受給者証の交付に際し、申請者に対する受給者証の取扱い等についての十分な説明を行うとともに、受給者が死亡した場合又は当該受診者が育成医療を受ける必要がなくなった場合は、受給者証を速やかに返還するよう指導するものとする。
6 指定自立支援医療機関の長は、第3項に規定する通知があったときは、これを医療給付の終了まで保管しておくものとする。
(育成医療費の支給)
第8条 育成医療費の支給は、原則として育成医療を行った指定自立支援医療機関の請求に基づき支払うものとする。ただし、受給者が一部自己負担金を指定自立支援医療機関に支払った場合には、受給者の申請に基づき支給することとする。
(自己負担)
第9条 育成医療の受診に係る自己負担額は、別表第3のとおり、負担上限額(政令第35条第1項から第5項に定める額)の規定によらず、薬局を除く指定自立支援医療機関の診療報酬明細書ごとに500円(育成医療に要する費用の100分の10に相当する額が500円に満たない場合は、その満たない額)を負担上限月額とする。
2 前項の500円(育成医療に要する費用の100分の10に相当する額が500円に満たない場合は、その満たない額)を超える場合の負担上限月額並びに3歳未満の児童の受給者及び政令第35条第1項第3号から第5号に掲げる受給者(所得区分が生活保護、市町村民税非課税世帯に属する世帯)についての自己負担分は、町で助成する。
(再認定)
第10条 受給者は、有効期間満了後も継続して育成医療費の支給が必要な場合には、支給認定申請書に第6条第1項各号に掲げる書類及び有効期間が満了した受給者証を添えて、期間満了の一月前までに町長へ提出するものとする。ただし、やむを得ない事由により、当該申請が遅延した場合はこの限りではない。
2 所得の変動などにより、負担上限月額に変更が生じた場合又は長期にわたり高額な治療を行い、高額治療継続者への該当・非該当に変更が生じた場合若しくは治療を行っている指定自立支援医療機関に変更が生じた場合については、支給認定申請書(様式第1号)に町長が必要と認めた書類を添えて申請することとする。
5 他市町村において既に育成医療を受給し、益子町へ転入した者が育成医療を申請した場合には、新規申請として取り扱うこととし、第7条の規定を準用する。ただし、受給者の同意を得て、転入前の市町村へ当該受給者の育成医療に係る書類を取り寄せ、転入前の市町村が認定していた有効期間を超えない範囲で支給認定を行うことは差し支えない。
(受給者証の記載事項変更届出)
第12条 受給者証の中の受診者及びその保護者の氏名、住所や被保険者証に関する変更等があった場合には、受給者は速やかに居住地の町長へ自立支援医療(育成医療)受給者証等記載事項変更届書(様式第6号)及び変更を証する書類を添えて届け出るものとする。
(受給者証の再交付)
第13条 受給者は、受給者証を破損又は亡失したときは、速やかに自立支援医療(育成医療)受給者証再交付申請書(様式第8号)を町長へ提出するものとする。
2 町長は、前項の申請があった場合には、本人であること、承認状況の確認等を行った上で、申請者に対し、速やかに受給者証を再交付するものとする。
(1) 治療用装具の製作に関する費用
(2) 移送に要する費用(以下「移送費」という。)
(1) 第三者に治療用装具費の製作を委託する場合、その見積書
(2) 育成医療の受給者証
(3) その他町長が必要と認めた書類
3 治療用装具費の支給は、治療経過中に必要と認められた医療保険適用のものであり、最小限度の治療用装具費に対して行われるものとする。
4 治療用装具は、治療経過中に必要と認められたものに対する支給であるため、現に育成医療を受給していない者であって、治療用装具費を申請する場合には、支給認定申請書により申請を行うものとする。
6 町長は、審査の結果、当該治療用装具費の支給基準に適合しないと判断した場合には、自立支援医療(育成医療)治療用装具・移送費支給不承認通知書(様式第12号)により申請者に承認しない旨を速やかに通知するものとする。
(1) 保険者の治療用装具費支給決定通知書
(2) 育成医療の受給者証
(3) 治療用装具費の支払金額が判明する領収証等(明細がわかるもの。写しでも可)
(4) その他町長が必要と認めた書類
9 町長は、第7項による請求書を受理した場合には、支給金額等を審査した上で、受給者へ支給するものとする。
(1) 育成医療の受給者証
(2) その他町長が必要と認めた書類
3 移送費の支給は、入院治療を必要としたとき又は転院せざるを得ないときに歩行することが困難な場合に支給するものであり、医療保険による移送費の支給を受けることができない者について、移送するために必要とする最小限度の経費とするものとする。なお、家族が行った移送等の経費については認められない。
4 移送費は、治療経過中に必要と認められたものに対する支給であるため、現に育成医療を受給していない者であって、移送費を申請する場合には、支給認定申請書により申請を行うものとする。
6 町長は、審査の結果、当該移送費の支給基準に適合しないと判断した場合には、自立支援医療(育成医療)治療用装具・移送費支給不承認通知書(様式第12号)により申請者に認定しない旨を速やかに通知するものとする。
(1) 育成医療の受給者証
(2) 移送費の支払金額が判明する領収証等(明細がわかるもの。写しでも可)
(3) その他町長が必要と認めた書類
9 町長は、第7項による請求書を受理した場合には、支給金額等を審査した上で、受給者へ支給するものとする。
(育成医療に要した費用の返還)
第17条 町長は、虚偽、その他不正の手段により育成医療に要した費用の支給を受けた者があるとき、又は支給後に過誤額が確認された場合には、その者から当該費用の支給額の全部又は一部を返還させることができる。
(審査支払機関への委託)
第18条 指定自立支援医療機関から提出される診療報酬の審査及び当該機関への支払いに関する事務は、社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会(以下「審査支払機関」という。)に委託して行うものとする。
2 指定自立支援医療機関の長は、各月に行った医療給付に係る診療報酬の請求を、健康保険の診療報酬の例により、審査支払機関に対して行うものとする。
3 町長は、審査支払機関から当該機関が指定自立支援医療機関に対して支払った診療報酬の請求があったときは、内容を審査のうえ支払うものとする。
4 町長は、別に定めるところにより、審査支払事務に要する費用を審査支払機関に対して支払うものとする。
(他の法令及び他の医療費制度との関係)
第19条 医療保険各法の給付は、育成医療に優先して行われるものであり、医療給付を受ける児童が医療保険各法による被保険者又は被扶養者である場合は、健康保険の診療報酬の例により算定した額から医療保険各法の規定により保険者が負担すべき額を控除した額を、育成医療の対象とするものとする。
2 育成医療は、生活保護法第15条に規定する医療扶助に優先して行われるものとする。
3 育成医療と小児慢性特定疾患治療研究事業(以下「小児慢性」という。)の両方が該当するような疾患については、手術等で治療効果が期待し得るものについては育成医療を対象とし、そうでないものは小児慢性を対象とするものとする。
4 児童福祉施設(乳児院、養護施設等)に入所中の児童に対する育成医療の取扱いについては次の各号に定めるとおりとする。
(1) 施設入所中の児童が育成医療の対象となる疾患に罹患し、しかもいずれの医療保険にも加入していない場合は、当該児童について施設入所の措置をした措置権者の責任において、医療費の全額を児童保護措置費で支弁するものとする。
(2) 施設入所中の児童が、いずれかの医療保険に加入しており、当該施設へ住民票と併せて個別の被保険者証を携帯してきた場合は、医療保険各法の一部自己負担金を育成医療の対象とする。
(3) 施設入所中の児童が、前号により育成医療の支給認定申請を行う場合は、施設長名をもって当該施設を管轄する町長に申請することができるものとする。
5 育成医療は、町及び県単独補助事業(こども医療、重度心身障害者医療、ひとり親医療等)に優先して行われるものとする。
(育成医療支給によって取得した情報の管理)
第20条 町長は、当該育成医療支給によって取得した情報を適正に管理するものとする。
附則
この要綱は、平成25年4月1日から適用する。
附則(平成27年告示第14号)
この要綱は、告示の日から施行し平成25年4月1日から適用する。
附則(平成27年告示第95号)
この要綱は、平成28年1月1日から適用する。
附則(平成28年告示第60号)
この要綱は、平成28年4月1日から適用する。
別表第1(第3条関係)
育成医療の対象 | 身体障害者福祉法第4条の規定による別表に掲げる程度の身体上の障害を有する児童又は現存する疾患が、当該障害又は疾患に係る医療を行わないときは、将来において同別表に掲げる障害と同程度の障害を残すと認められる児童であって、確実なる治療効果を期待しうるものとする。 1 給付の対象となる疾患は、障害区分により示せば、次のとおりである。(施行規則第6条の17) (1) 視覚障害によるもの (2) 聴覚、平衡機能障害によるもの (3) 音声、言語、そしゃく機能障害によるもの (4) 肢体不自由によるもの (5) 心臓、腎臓、呼吸器、ぼうこう若しくは直腸、小腸又は肝臓の機能障害によるもの (6) (5)を除く先天性の内臓の機能の障害によるもの (7) ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害によるもの 2 内蔵障害によるものについては、手術により将来生活能力を維持できる状態の見込みのあるものに限ることとし、いわゆる内科的治療のみのものは除かれること。なお、腎臓機能障害に対する人工透析療法、腎移植後の抗免疫療法、小腸機能障害に対する中心静脈栄養法、心臓機能障害に対する心移植術後の抗免疫療法及び肝臓機能障害に対する肝臓移植術後の抗免疫療法については、それらに伴う医療についても対象とされること。 3 支給認定の有効期間中において、当該医療の対象疾病に直接起因する疾病を併発した場合は、その併発症の治療についても支給の対象とされること。 |
別表第2(第4条関係)
医療の内容 | 注意事項等 | |
1 | 診察 | 普通の診察のほか、各種臨床検査又はエックス線による診察を含み、処方箋の交付についても診察に伴う行為とする。 |
2 | 薬剤又は治療材料の支給 | 1 薬剤には、薬瓶、ガーゼ、油紙等を含む。 2 治療材料とは、氷、治療用装具、輸血に必要な血液等、治療に直接必要な消耗品材料をいう。 |
3 | 医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術 | 1 医学的処置とは、ほう帯の巻替、薬の塗布、注射等をいうものとする。 2 手術とは、患部の切開、縫合等をいう。 3 その他の治療とは、電気療法、放射線治療等の理学療法又は電撃療法等の特殊療法をいう。 |
4 | 居宅における療養上の管理及びその治療に伴う世話その他の看護 | 1 居宅における療養上の管理とは、訪問治療等による在宅患者に対する医師の医学的管理をいう。 2 居宅における療養に伴う世話その他の看護とは、在宅患者に対する訪問看護等をいう。 |
5 | 病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護 | 療養に伴う世話その他の看護には、児童の保護者が付き添うことは含まれない。 |
6 | 移送(医療保険により給付を受けることができない者の移送に限る。) | 入院又は通院のため車等を利用することである。 症状により歩行困難又は歩行不適当と認められるときに移送を承認する。 |
別表第3(第9条関係)
所得階層 | 負担上限月額 | ||
3歳未満 | 3歳以上 | ||
生活保護 | 受診者の属する「世帯」が生活保護法による生活保護受給世帯又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律による支援給付受給世帯であるもの | 0円 | 0円 |
低所得1 | 受診者の属する「世帯」が市町村民税世帯非課税世帯であり、受給者に係る収入の合計金額が80万円以下である場合で、所得区分が生活保護の対象でないもの | 0円 | 0円 |
低所得2 | 受診者の属する「世帯」が市町村民税世帯非課税世帯(均等割及び所得割が非課税)である場合であって、かつ所得区分が生活保護、低所得1でないもの | 0円 | 0円 |
中間所得層1 | 受診者の「世帯」に属する者の市町村民税額所得割額が3万3千円未満であって、生活保護、低所得1、低所得2の対象でないもの | 0円 | 500円 |
中間所得層2 | 受診者の「世帯」に属する者の市町村民税所得割額が3万3千円以上23万5千円未満であって、生活保護、低所得1、低所得2の対象でないもの | 0円 | 500円 |
中間所得層1 【重度かつ継続】 | 中間所得層1に該当し、重度かつ継続の対象者であるもの | 0円 | 500円 |
中間所得層2 【重度かつ継続】 | 中間所得層2に該当し、重度かつ継続の対象者であるもの | 0円 | 500円 |
一定所得以上 【重度かつ継続】 | 「世帯」の市町村民税所得割額が23万5千円以上であり、重度かつ継続の対象者であるもの | 0円 | 500円 |