町では、「無印良品」で知られる株式会社良品計画と、持続可能な地域づくりのための包括連携協定を10月15日に締結いたしました。この協定に基づき、相互の連携を強化し、「ましこならでは」の価値をつくる取組を進めるとともに、良品計画が経営理念として掲げる「感じ良い暮らしと社会」の益子町内での実現を図ってまいります。
 この協定に基づく取組の第1弾として、土祭(ひじさい)メイン期間中に、ごみを減らす資源循環型の暮らし方について考え、体験するワークショップやパネル展示、商品の販売などを行いました。
 また、第2弾として、良品計画の金井会長による基調講演や、益子町のこれからのまちづくりなどに関するパネルディスカッションを開催いたしました。
※ 令和3年12月27日 講演会・パネルディスカッションの概要を追記しました。
第2弾 講演会・パネルディスカッション「ましこならではの感じ良いくらしをつくる」
|  |  | 
| (画像をクリックすると大きいサイズでご覧いただけます。) | 
 
| 日 時 | 令和3年11月13日(土) 午前10時から午後0時30分まで(午前9時30分開場) | 
| 場 所 | 益子町民会館ホール (益子町大字益子3667番地3) | 
| プログラム | (1)基調講演  良品計画の目指す持続可能な地域づくりについてお話しいただきました。  ●株式会社良品計画 代表取締役会長 金井 政明 氏 (2)パネルディスカッション  ましこならではの感じ良いくらしについて話し合いました。 ■パネラー  ●株式会社良品計画 代表取締役会長 金井 政明 氏  ●NAOTO FUKASAWA DESIGN 代表 深澤 直人 氏  (益子町まちづくりアドバイザー 2015〜)  ●益子町長 大塚 朋之 氏 | 
| 費 用 | 入場無料(申込不要) | 
| 座席数 | 465席 | 
【12/27追記】講演会・パネルディスカッションの概要
| (1)基調講演 
 |  第1部では、良品計画の金井会長にご登壇いただき、「今、私たちは未来のまちの風景をどう考えましょうか。感じ良いくらしと社会 公益人本主義経営への挑戦」と題し、良品計画が社会に抱いている違和感と、会社として今後何をしていきたいかについて、お話しいただきました。  以下はその概要です。 〇無印良品の発想について 
無印良品は、大戦略として「役に立つ」を掲げている。「傷ついた地球の再生」、「多様な文明の再認識」、「快適・便利追及の再考」などをはじめとした7つのキーワードに留意して、役に立つ会社になることを目指している。 〇現代社会の違和感や課題について 
過剰な資本主義社会の下で社会的課題(水・食料・エネルギー不足、地球温暖化等)がどんどん大きくなっている。経済規模は100年前から60倍ほどの規模にまでなったが、人の中身は貧しくなった。もっと感じよい社会にしたい。「これがいい」ではなく「これでいい」という自制的な満足感を得られる商品をつくりたい。たとえ人口が半分になっても、経済、環境、文化がバランスよく支えあっている、「感じ良く暮らせる」社会構造をつくっていく必要がある。デジタル社会への対応については、易き(安価やラクであるということ)に流れることなく、現在と未来の望ましい暮らしや社会を構想し、その実現のためにデジタルリテラシー(デジタル技術を使いこなす能力)を高め、技術を生かす知恵が必要である。 〇公益人本主義経営への挑戦 
これからは、営利企業と社会の公益性を両立させるような事業が必要。その具体的な取組として、現在17の自治体と連携協定を結び、様々な活動を行っている。現在良品計画では、2100年を見据えながら、「食と農」、「健康と安心」、「現代的コミュニティの再興」、「文化・アート」の4つのテーマで、地域に巻き込まれたいと考えている。地域の人々が社会参加していけるような、コミュニティセンターとしての面を持つ店舗を展開していきたい。 〇素晴らしい地域とは 
暮らしに大切なこととして、「地域の伝統や生活文化とダイバーシティ」「地域の安全な食とエネルギー」「四季の風景ときれいな水と空気」「『お互い様』『お蔭様』と言い合える人間関係」などをはじめとした10の要素がある。益子町はとても恵まれた町だと思うが、この要素のうち足りないものはあるのか、町の人たちと一緒に考えていきたい。他者の役に立てている実感とお互いさま社会の実現こそが「幸せ」ではないかと思う。 | 
| (2)パネルディスカッション   
株式会社良品計画 代表取締役会長 金井 政明 氏NAOTO FUKASAWA DESIGN 代表 深澤 直人 氏益子町長 大塚 朋之 氏 |  第2部では、平成27年度から益子町のまちづくり事業にご協力いただいている深澤直人氏と金井会長にご登壇いただき、大塚町長とともに益子町のこれからのまちづくりについて話し合いました。  以下はその概要です。 ◯益子の魅力、地域づくりについて 
暮らしの中で自然にできた、曲がりくねった道や小山、丘、水路など、暮らしている人たちからは当たり前の景色でも、外から来た人にとっては貴重なもの。「借景」とは、自分の庭の景色に周りの山や自然を借りて一体として見る景色のことだが、自分の庭や地域を美しくすることで他人の借景になる。お互いが借景を提供する意識を持つことで、町全体が美しくなり「幸せの借景」になっていく。そのような景色の中に感じ良い暮らしを点在させ、大きなホテルをつくるのではなく、小さな小屋を置き、外から来た人に町を感じてもらう取組を進めてはどうか。益子町には、小宅古墳群や雨巻山の登山道を整備するボランティア団体など、地域で活動を行う団体がたくさんある。環境を大切にする気持ちが強いことも益子らしさの1つと言える。 ◯民芸の精神について 
民芸(品)は本来、自分が暮らしていくために必要なものとしてつくられたものであり、それが周りに広がって価値が認められて「民芸」になっていった。田んぼや畑、丘(の風景)をつくることも民芸と同じ。農業をしたり土地の手入れをしたりしている人はよく「面倒を見る」という表現を使う。これは民芸に通ずる考えで、生活の中のケアしなければならないものを持続させていく(面倒を見る)ことが幸せを生むのだと思う。サービスに頼り切りで面倒をみなくなると衰えてしまう。ストレスが無い環境ではストレスを自分でつくらなければいけない。自分の生活の面倒を見ることが長生きや健康につながり、それが循環型社会の基盤になる。 ◯環境に配慮した取組について 
感じ良いくらしにおいて、環境と健康は非常に大切な要素。それぞれの取組の中で、面倒を見る、ひと手間をかけることで、様々な分野で好循環を生んでいくと思われる。環境に配慮した取組の一つとして、モノの廃棄を極力減らす町独自のリサイクルシステムを構築し、町全体を循環型社会の実践拠点としていってはどうか。 ◯括連携協定の締結について(それぞれがコメント) ◆深澤氏 
協力して何かをやるというのは言うのは簡単だが実際には難しい。良品計画と益子町に共通する良いところは、絶対やろうという姿勢。町の人たちと協力しながらやっていくという姿勢が重要。 ◆金井会長 
良品計画の社員教育として、社員を地域に派遣し、地域の変態=ローカルヒーローと交流し、それぞれの拠点で頑張ってもらい、成長につながっている。地域に巻き込まれて様々なことに関わっていきたいと思う。 ◆大塚町長 
良品計画との連携事業については、具体的な目標を掲げてやっていきたい。町の役割は、町民に安全・安心な暮らしを提供することだが、中長期的には地球環境や少子化の問題にも取り組んでいかなければならない。少子化問題についても、良品計画と組むことで、新たな展開が開けると期待している   | 
 
第1弾 土祭2021関連企画「もののゆくえ」
|  |  | 
| (画像をクリックすると大きいサイズでご覧いただけます。) 【 金継ぎワークショップのご予約 】 ・10/31(日):こちら(終了しました) ・11/13(土):こちら(終了しました) | 
※ 今回の「土祭2021」につきましては、こちらをご覧ください。