[ましこのひとvol.20]益子で叶えた「好き」を仕事にする楽しさと幸せな家族の時間②

ましこのひと2022年03月15日

 [ましこのひとvol.21]  益子町で暮らす人に「ましこの暮らし」について聞く。

 

仲野沙登美さんに益子町での暮らしと育児についてお話を伺いました。

 『『仲野さん』の画像』の画像

 

仲野さんのインタビュー①はこちらをご覧ください。

[ましこのひとvol.21]益子で叶えた「好き」を仕事にする楽しさと幸せな家族の時間①

 

 

 

 

 

 Q.4 ご自身の育児に対して、モットー等はありますか?

 

子ども達には自由になんでもやらせています。とても自由だけど、厳しい面もあります。

夫は生きる力を育てたいと、子どもが小さい頃から薪割りや着火をさせていました。怪我しないとわからないこともあるからと言い、それも理解できるのですが、見ているとはらはらしました。切れ味が良い研いだ包丁で料理をさせ、ひとつでもいいから得意料理ができたらいいなと思い、よく一緒に料理をしました。

また、学校に通うために学費や制服代がいくらかかっているかなども伝えています。本当かわかりませんが、夫は、将来学費を返すよう子ども達に話しています。自分のお金で勉強していると思ったら、真剣さが違うからと。子供は高校で居眠りなどせず、真剣に勉強をしているようです。

子ども達が「我が家はとても自由だし、ダメって言われることはほとんどないけど、責任持ってやらなくちゃいけないんだな」と話していました。
私も「子どもは子どもで考えているんだな、任せて見守ることも大事だ」と思いました。子ども達が大きくなっても、このような子育てでいいのかと思うことはありますね。

 

 『料理のお手伝い』の画像

 

 

 

 Q.5 大切にしていることはなんですか?

 

毎日の挨拶と、家族が集まる夕飯時はとても大切にしています。
我が家はアイランドキッチンなので、家族みんなで食事を作っています。自宅を建てる際に、家族みんなが近くにいて、家族を感じて暮らしていきたいと思い、個室がない間取りにしました。子どもが孤独にならないようそばにいてあげたかったので、子ども部屋もあえて作りませんでした。夕飯の後は、カードゲームや麻雀をしたりして過ごしているので、子ども達と会話がないという日はありません。

 

 

 

Q.6 今後の目標はありますか?

 

やりたいと思っていたことは、やっていいよと周囲に言ってもらえる環境にいたので、ほとんど叶ってきました。
私は書くこと、撮ることが好きなので、益子に住みたいと思っている方に、益子の良さをPRしていけるよう自分ができる範囲でやっていきたいと思います。

 

 

 

Q.7 益子の好きなところ・良いところを教えてください

 

益子町に来てから今まで、出会った人は優しい人ばかりで人に恵まれており、それはとても幸せなことだと思っています。

私は4姉妹の長女なので、福島県の実家を継がなくてはいけませんでした。実父は「子どもができたのだから家は継がなくていい」と言ってくれたので、結婚することができました。
義理の両親は「私たちはあなたを本当の娘だと思うから、私たちを本当の両親と思って安心して嫁においで」と温かく迎えてくれました。義姉と義弟の家族も皆さん良い人ばかりで、夫と結婚して、夫の家族と私の家族が結びつき、家族が増えたことは本当に幸せだなと思っています。

また、弟子時代にお世話になった窯元の親方夫妻は、私のことを「三女娘」と呼んでくれています。
当時私には姉弟子が2人いました。一番弟子は「長女娘」、二番弟子は「二女娘」と呼ばれていて、私は年齢も経歴も下だったため「三女娘」でした。親方夫妻も、私を本当の娘のように育ててくれました。
私の周りには「お父さん・お母さん」と呼べる存在が沢山いるなと思っています。

 

私はそんな優しい人達に囲まれて、応援されてきました。今度は応援する側になりたいです。

益子に新築したい、移住したい方、夫、義父や飲食店で料理をふるまう義母、子ども達3人それぞれ応援していきたいなと思っていて、それができるのは私。それはすごく幸せなことだと思っています。
家族が「やりたい」と思うことをどうサポートできるかを考えています。

 

 『3人のこどもたち』の画像

 

 

また、地域の人もすごく優しいですよ。

夫は益子祇園祭の新町(しんまち)自治会の若衆でした。新町は彫刻屋台が火災の損害に遭ってしまったことがあり、復元されるまでの間、山車代用のリヤカーを夫が作ったりしたのですが、「自分は祭はもういいかな」と言って早めに引退しました。
夫が山車を引いていた間は、子供たちは山車の前の部分に座らせてもらい参加していました。夫の引退後、子ども達も祇園祭から足が遠のいてしまったのです。
そうしたら、隣々組の内町(うちまち)自治会の方から「親がやらないからと言って子どもに祭をやらせないのは、違うぞ」と言ってくれて、子ども達の参加を後押ししてくれました。同じ新町自治会の方が「仲野さんちの子も来い」と言うならわかるのですが、違う自治会の方も、私たち家族のことを見てくださっているんだなと思いました。

 

ほかにも、近所で畑仕事しているおじさんが「○○ちゃん大きくなったね、野菜持ってげ!」 と、子どもの下校中に声をかけてくれたようで、通学用自転車のかごに入りきらないくらい沢山の野菜を自宅へ持ち帰ってきたことがあります。私が野菜の御礼に畑へ行くと、今度はねぎを畝一列分丸ごとくれるんじゃないかというくらい沢山くれて、「これ以上はもういいです」と断っても「いや、持ってげ!」と言ってくれて、野菜が高い時期は大変助かりました。
子ども達が回覧板をまわしに行くと、お菓子やお駄賃をくださることもあります。地域の方々が子ども達の登下校や成長をいつも見てくださっているのだと思いました。

 

 

益子町は移住者が多い町です。先に益子町に住んでいる人が、移住者に対して親切にすることによって、その移住者が、新しくやって来た移住者にも優しく接することができる。
自分が受けた恩や優しさを次の人にリレーしているかのよう。幸せなリレーが続いているように思います。

 

 

 

 

 

※本記事の内容は2021年3月にインタビューした内容を基に編集しています。

 

 

 

 

仲野さんのお店

仲野工務店『仲野工務店』の画像

栃木県芳賀郡益子町益子1627-4
TEL:0285-72-4057  FAX:0285-72-4719
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仲野沙登美さんのブログ「住む人を想う家づくり

自然素材を重視した、木造建築にこだわり続ける工務店です。手刻みの新築工事や、長く住み続ける為のリフォーム、リノベーション、店舗改修工事などに力を入れています。

 

   『『cafe&bar Banda』の画像』の画像

  

Cafe Bar Banda(カフェバー バンダ)

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